デザイン思考はユーザーイノベーションとは異なる。
ユーザーイノベーションの考え方は、「わざわざ企業がニーズを拾い上げてアイディアを考えなくても、ユーザーには少ないながらもアイディアの保有者が存在するので直接ユーザーにアイディアを尋ねればよい」というもの。したがて、
・優れたアイディアを持つところからそれは引き出すべき(リードユーザー法)
・特定のコミュニティ(ユーザー起動法)
・不特定ユーザーからアイディアを募ればよい(クラウドソーシング)
などがあるとされたきた。
他方、デザイン思考は「アイディアの源泉はユーザーの頭の中の未意識領域にあり、明確な答えを有しておらず、ヒントのみ有する」という前提に立っている。
したがってこちらが観察して、ヒントや答えをこちらが導き出す必要がある。しかもそれらは個々に違いがある。それら言語化できないニーズをどうやって浮かび上がらせるのかがポイントになる。
このプロセスは、スタンフォード d.school の「デザイン思考の5段階」などとして示されている。
1. 共感/理解
2. 定義・明確化
3. アイディア造り
4. プロトタイプ
5. テスト
「観察を通じて」ユーザーを理解することに、デザイン思考の特徴があるのだ。