「知ること」にはレベルがある。
金井、高橋(2004)『組織行動の考え方』( 10章)では、次のように述べられている。
1)知ることとは、自分の中を通った手持ちの情報が一時的に増えること(フロー)
2)知ることとは、自分の知識ベースに変化が起こること(ストック)
3)知ることとは、その気になればそのことを他の人に教えることができること
4)知ることとは、知る前と知った後で世界の見え方が変わってくること
5)知って本当に理解することとは、自分が変わること
6)知って身につくということは、その知識を使って怖がらずに、自分や自分が属するシステムを変えてみようとすること。
(このレベル6の論理の対偶にあたる表現は「システムを変えようとすることなしに、本当に役立つ知識は得られない」となる)
これはアクションラーニング、組織変革、SECIモデルなどの議論につながり、最近流行りのアジャイルやデザイン思考にもあてはまる。 これは研修業界やコンサル業界の核心概念になるはずだがこの知識を身につけている人は意外に少ないのかもしれない。