NECによる情報提供サイト Wisdom に連載中
田中信彦の「次世代中国 一歩先の大市場を読む」
今回の最新記事は、
→ https://wisdom.nec.com/ja/series/tanaka/2022052601/index.html
官邸主導で行われている「新しい資本主義」の議論の第3回のテーマは人的資本である。
事務局の提示するデータによれば、
1)企業の人材投資はGDP比で0.1%未満。先進国中で圧倒的に低く、しかも低下傾向にある。
→そもそも人材への投資余力がなかったからだろうか?
2)大手中小企業ともに、賃金や設備投資などは大きく変わっていないが内部留保は増えている。
→これでは余力がなかったとは言えない。企業の競争力が失われている理由の一つだろう。それはこの20年間、常に指摘されてきたことであるし、その状態は現在も進行している。
これらのことから「人に投資をしないことに対するなんらかの合理性があった」と私たちは考えるべきではないか。それはどのような理由なのだろうか。
「人的資本経営」の議論の前に、その理由を明らかにすることが大切だ。前を向いているようなふりをして指標をこねくりまわしても、意味のある投資は実現しない。さらに遠回りするだけだろう。
巷で言われる防衛費1→2%は贅沢な投資/経費に見える。
参考 事務局データ
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/index.html https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/kaigi/dai3/gijiyousi.pdf