10兆ドル(1220兆円)という世界最大の資産運用会社ブラックロックのラリー・フィンク CEO は、今年の株主宛の書簡で次のように示した。
・ロシアのウクライナ侵攻によりロシアが国際資本市場から遮断され、これまで進展してきたグローバリゼーション前提が変化し、同社を伸ばしてきたとも言えるグローバル化に終止符が打たれた。
・今後は再生可能エネルギーへのシフトが加速する一方、ESG投資の取り組みは難航する
ちなみに、2020年GDPは米国20兆ドル、中国14兆ドル、日本5兆ドル程度であることから、10兆ドルとはどのような金額であるかがわかる。
・デジタル通貨の役割が拡大するとともに、ウクライナ親交の恩恵を受けるのはメキシコ、ブラジル、米国、東南アジアの製造拠点であろう
(参考:2022.3.35日経新聞夕刊)
経営者が聞くべき声とはどのようなものだろう?最近、経営団体や国の示す提言には首をかしげるような内容、時間的にずれたものが多くなったと感じる。 聞き応えのある声とは中途半端な代弁者からではなく、今を見つめたこのような声ではないのか。
原文→
https://www.blackrock.com/jp/individual/ja/2022-larry-fink-ceo-letter
「知ること」にはレベルがある。
金井、高橋(2004)『組織行動の考え方』( 10章)では、次のように述べられている。
1)知ることとは、自分の中を通った手持ちの情報が一時的に増えること(フロー)
2)知ることとは、自分の知識ベースに変化が起こること(ストック)
3)知ることとは、その気になればそのことを他の人に教えることができること
4)知ることとは、知る前と知った後で世界の見え方が変わってくること
5)知って本当に理解することとは、自分が変わること
6)知って身につくということは、その知識を使って怖がらずに、自分や自分が属するシステムを変えてみようとすること。
(このレベル6の論理の対偶にあたる表現は「システムを変えようとすることなしに、本当に役立つ知識は得られない」となる)
これはアクションラーニング、組織変革、SECIモデルなどの議論につながり、最近流行りのアジャイルやデザイン思考にもあてはまる。 これは研修業界やコンサル業界の核心概念になるはずだがこの知識を身につけている人は意外に少ないのかもしれない。